鴨が全ていなくなった。
村は騒ぎになっていて、盗難じゃないか、キツネ、カラス、鷲、何の痕跡もなく原因は分からない。
稲は水が多くあった部分に関しては成功。
本来強くたくましい、そういうポテンシャルを引き出してあげることがこの仕事なのだろう。
土と水、空気、太陽、そこは親の義務だからしっかりやりたい。
村民はすでに農薬等が進化した中で育ったので、そういったものを使わないリスクがどこまであるのか知らないということが分かった。
本当に美味しいものは過酷な環境下でも自力で生き延び、虫や病気を寄せ付けない強い個体だという。
食われるものは食わす、枯れるものは枯らす、収量は関係ない自分にしかできない事だろう。
村人には積極的にアプローチし隣村まで知り合いが増えた。
暗い部分も見え、熱く生きている人にも出会った。
投げやりなサラリーマンもいた。
人自体はどこにいても変わらない。
田んぼの温度計は40℃を指し5Lの水を飲んでもトイレは1日1回。
寝て起きて食べ物を作り食べてまた寝る。
土に還る自然の循環の中の一瞬を生きているだけ。
家が決まった。
次回東京に戻るのが最後。