人間は、安心、安全、便利、快適な中にいるとボケてしまう、サッカー元日本代表監督の岡田さんがよく言う事です。
時間がスローに流れる、自転車に乗っていて轢かれた、バイクに乗っていて急に車線変更してきた車に巻き込まれた、居眠り運転に後ろから追突された、このシュートを決めれば同点になる、恐らくスイッチが入っていたと思います。
16歳の時、知り合いがいない、英語もしゃべれないでロスのスラムで生活していた時は寝ていてもスイッチが入っていたと思います。
病気になった理由の一つに平和過ぎてボケた、これもあると思っています。
人がアラートな状態を維持したままどの程度耐えれるのか分かりません。
戦争が終わった事を知らずに潜伏を続けた小野田少尉は91歳まで生きました。
衛生状態、栄養バランスなど選択の余地がない環境で約30年もの間生活していました。
気合というか、根性というか、直感しか頼れるものがない状態、僕の場合はロスにいた頃ですが、あの頃が最も生きていたという感覚があります。
直近では断食時でしょうか。
死が近くにないと生もハッキリとは実感できない、そういう状況だと病気だとかそんな些細なことなどどうでもよくなります。
22歳を過ぎてからは器用に生きるようになり世渡りだけがうまくなった、いつしか自分がどういう人間だったか忘れるようになりました。
今はそれを楽器に求めています。
その瞬間しかないという時に音を出し音を切る、一人でも音が踊り出すような瞬間があってそこを追及しています。
合ってるとか間違ってるとかではないもの、そういうものが表現できるようになりたいです。