僕らのような外に出れなくなる障害の人もいれば手がない人、足がない人、それぞれ障害年金を受け取る権利がある障碍者です。
この映画で面白かったポイントが二つあり、一つは偶然にも熊本県でした。
今もチンチン電車は走っていて、その付近の車道幅が車幅ギリギリしかなく、電線はたくさんぶら下がり、木造建築群は2016年の震災でほぼないですが熊本だなと感じるところがたくさんありました。
のりこさんがとてもラッキーだったのは熊本県民だった事だと思います。
世話焼きの人、正義感が強い人、明るい人が多い気がします。
もちろん嫌な事はいくらでもあったでしょうが、他府県を知っている僕からするとのりこさんが熊本で生まれて本当にラッキーだったと思いました。
もう一つはこの時代のファッションが凄く良い、メンズはまだカジュアルという概念が一般的ではない頃だと思います。
今や手縫いのスーツを着ている人は日本全国合わせても1000人くらいでしょうか?、そもそも既成の背広が昔はなかったのでとても良い仕立ての人がたくさんいます。
恐らくこの時代の前後に東京と同時進行で熊本ファッションが開花、インポートブランドが続々と輸入、販売されます。
九州にはそういう文化があるようで、マルジェラを初期に輸入したのが大分県のセレクトショップだったようです。
その後メインの販売は仙台に移ったと思います。
熊本は街の中心部にユニクロやしまむらがない、そんなの着てる奴はヤバい、そういう人が大勢います。
僕から見た熊本は今もこの映画の空気感が残ってる、ヤクザが走っていてもおかしくないし、立ちんぼがタバコをふかして呼び込みしていてもおかしくない、歌舞伎町ですら管理され飼い猫のようになったと思いますが、くわえたばこにポイ捨て上等、良いとか悪いとかではなく自由が存在しているところが好きです。